2010年06月13日

青春と読書 2010年7月号掲載 茂木健一郎「挑戦する脳」より 2/2

困ったアダムは一計を案じた。デレクを、まずは部屋の隅の椅子に座らせる。そうして、デレクがピアノのところまでやってくる間に、自ら短い旋律を弾いてみせる。デレクが、その旋律を真似して、弾く。
アダムが旋律を弾き、デレクが同じ旋律を弾く。そのようにして、ピアノで奏でる音楽を仲だちとして、アダムとデレクの間に始めてのコミュニケーションが成立した。

アダムとデレクは、しばしば、「コピーゲーム」を行った。アダムが、ピアノに向かって幾つかの鍵盤を弾く。それを聞き取っていたデレクが、そのままそっくり同じように鍵盤を叩く。そうして交互にピアノを弾くことで、デレクが、実際に複雑な音の組み合わせを正確に聞き取って、再現できることがわかった。デレクは、(同時に鳴らされたオーケストラ楽器の)20くらいまでの音のピッチを正確に聞き分けられることがわかった。驚異的な能力である。

posted by poka-risu at 00:00| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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