2010年06月12日

青春と読書 2010年7月号掲載 茂木健一郎「挑戦する脳」より 1/2

1979年生まれのデレク(・パラヴィチーニ)は、絶対音感を持ち、一度聴いた曲は忘れずに正確に再現できる驚くべき能力を持ったピアニスト。その目覚しい能力ゆえに、「人間iPod」とも呼ばれる。
デレクには、普通と違った点がある。デレクは、生まれつき目が見えないのだ。

小説家のサマーセット・モームを曾祖父に持ち、・・・名門の家に生まれたデレク。早産の結果、未熟児として生まれたデレクは、酸素吸入の治療を受けた。しかし、十分な設備がなかったこともあり、脳に障害が残ってしまった。目が見えないだけでなく、広範な発達障害が生じたのである。
今日、デレクは、言葉を発し、理解することはできるが、対人コミュニケーションがうまくできない。しばしば、他の人の言葉をそのまま自ら繰り返す。あたかも、言葉を自分自身の中に反響させて、その意味を噛みしめ、確認しているかのようである。視覚障害に加えて、デレクは、「自閉症」のスペクトラムの中にいる。

[ある日デレクは視覚障害者の学校でレッスン中の音楽教師アダム・オッケルフォードに才能を認められ、彼の熱意によりレッスンを授けられるようになる。]いざレッスンを始めても、・・・デレクのピアノに対する執着心は凄まじいものだった。レッスンをする際に、真っ先に乗り越えなければならなかった壁は、デレクに他の人とピアノを共有するということを学ばせることだったという。アダムがピアノに近づくと、デレクはものすごい勢いで追い出そうとする。
posted by poka-risu at 00:00| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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