2010年05月21日

モーツァルトの交響曲

モーツァルトのシンフォニーは、非常にわかりやすい楽器配分をしている。また主題の身振りやちょっとした音の動きは他のインストゥルメンテーションの作品とかなり同じのため、一聴してモーツァルトとわかりやすい。

彼の交響曲で主体となるのは弦楽器群である(主な旋律の提示など)。そして管楽器群はロングトーンやアクセント的な音を担当することが多い。この音の伸ばしは「ピアノでペダルを踏んだときのように、響きが充実する」ものとなる(『はじめてのオーケストラ』p.71)。

次の楽譜は第31番「パリ」の冒頭。

mozart - symphony in D kv297 1.JPG


冒頭で鳴らされるのは主調のD-durの主和音。弦楽器群はDの音しか奏さず、和音の構成音である第3音や第5音はオーボエやクラリネットが担当する。弦楽器のユニゾンは、そしておそらくは開放弦によるそれは、実に伸びやかに響くに違いない。
4小節目末から主題を演奏するのは第1・第2ヴァイオリン。これもまたオクターヴによるユニゾン。7・8小節目ではすでに、引き伸ばし&リズム打ち的役割を管楽器群が受け持っているのが見て取れる。

続く第2ページ

mozart - symphony in D kv297 2.JPG

19小節からは、チェロとファゴットがしばしば同じ旋律を演奏するというオーケストレーションの定石があらわになっている。ちなみにここではチェロとコントラバスがこれまたよくあることにユニゾンを作っており、またそれらとヴィオラが1オクターヴ隔てて同じ動きをしている。

現代のオーケストレーションから見ると不経済この上ないのかもしれないが、実際ユニゾンほど豊かに響きの線を出せる書法もない。
モーツァルトが各楽器を独立して扱うときにはしばしばフーガ的書法を用いるが、その際の音の生き生きとしたやり取りはまたこうした素直な書法とよい対比となって、いかにも「音の遊び」となっている。
posted by poka-risu at 00:00| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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