2010年05月22日

ウィーンのファゴットとアンサンブルと

音楽の友 2010年6月号より
ウィーンフィルファゴット奏者、ベネディクト・ディンクハウザーのインタビュー

●ウィーン式の存在するオーボエやホルンはそれらを用いるが、ファゴットにはウィーン式というのがないためドイツ式のファゴットを用いる。
「我々はドイツ式のファゴットを使用し、通常とは異なる運指を用いて演奏しています。・・・『ウィーンのヘ音』と呼ばれる運指もあり、私はこれを短いヘ音と名づけています。空気が通る管の長さは通常より短く、そして音は大きくイントネーションは高めです。これに対しドイツのヘ音、長いヘ音は低めの音がします。私が身近へ音を使う理由は、低めの音を押し上げるより、高めの音からおりていく方がきれいに響くからです。これは歌手の発声に似ているといえるでしょう。」

●ファゴットは木管楽器群の中では最もソロが少ない「ファゴットはチェロと同じメロディーを演奏する機会が多いです。気分的にはチェロの一番後ろのプルトで演奏しているような感じですね。チェリストは12人、イントネーションは自分からあわせていったほうが早く、音質についてはチェロの音に色を加えるような役目をしているよ思います。」

「スケルツォ的で愉快な音と、悲哀に満ちた美しい表現という対照的な二つの特徴」

「オーケストラピット内だとファゴットは一番外側の壁際で演奏し、チェログループは真ん中に陣取っています。チェロとの間には4〜5メーターの距離があり、同時に音を出すにはチェロの音が自分の耳に聴こえる前に吹かなければなりません。音が聴こえてからではもう遅すぎるのです。指揮者を見るか、あるいはソロチェリストの弓を見て対応します」

●ウィーンでは木管楽器奏者がヴィブラートをかけることを敬遠する時代があった
「バスを奏でる2番ファゴットでヴィブラートを使うことはありえません。木管楽器群を支えるバスがふらふらしたらその上に立つ楽器はハーモニーを展開できなくなってしまいます。でも1番ファゴットは違います。特にフランスもののレパートリーにおいてはヴィブラートなしに考えられないと言っても良いでしょう。」

アーティキュレーションの土地柄「ウィーンでは木管楽器がハーモニーを奏でる時、四分音符を少し短めに演奏します。これにより我々ならではの透明感ある仕上がりが得られるのです。
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2010年05月21日

モーツァルトの交響曲

モーツァルトのシンフォニーは、非常にわかりやすい楽器配分をしている。また主題の身振りやちょっとした音の動きは他のインストゥルメンテーションの作品とかなり同じのため、一聴してモーツァルトとわかりやすい。

彼の交響曲で主体となるのは弦楽器群である(主な旋律の提示など)。そして管楽器群はロングトーンやアクセント的な音を担当することが多い。この音の伸ばしは「ピアノでペダルを踏んだときのように、響きが充実する」ものとなる(『はじめてのオーケストラ』p.71)。

次の楽譜は第31番「パリ」の冒頭。

mozart - symphony in D kv297 1.JPG


冒頭で鳴らされるのは主調のD-durの主和音。弦楽器群はDの音しか奏さず、和音の構成音である第3音や第5音はオーボエやクラリネットが担当する。弦楽器のユニゾンは、そしておそらくは開放弦によるそれは、実に伸びやかに響くに違いない。
4小節目末から主題を演奏するのは第1・第2ヴァイオリン。これもまたオクターヴによるユニゾン。7・8小節目ではすでに、引き伸ばし&リズム打ち的役割を管楽器群が受け持っているのが見て取れる。

続く第2ページ

mozart - symphony in D kv297 2.JPG

19小節からは、チェロとファゴットがしばしば同じ旋律を演奏するというオーケストレーションの定石があらわになっている。ちなみにここではチェロとコントラバスがこれまたよくあることにユニゾンを作っており、またそれらとヴィオラが1オクターヴ隔てて同じ動きをしている。

現代のオーケストレーションから見ると不経済この上ないのかもしれないが、実際ユニゾンほど豊かに響きの線を出せる書法もない。
モーツァルトが各楽器を独立して扱うときにはしばしばフーガ的書法を用いるが、その際の音の生き生きとしたやり取りはまたこうした素直な書法とよい対比となって、いかにも「音の遊び」となっている。
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2010年05月20日

atelier

帽子作家のアトリエ
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美術作家のアトリエ
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